5.BDFへの変換

BDFへの変換法には、一段階アルカリ法、二段階アルカリ法、二段階酸ーアルカリ法、超臨界メタノール法などが知られています。私たちは、これらの中で比較的操作が簡単な、一段階アルカリ法を用いてBDFを製造しています。

ひまわり油は加工しないと燃料にならない

メチルエステル化

BDFの製造がうまくいくかどうかには、廃油の状態が一番影響を与えます。よく使い込まれた廃油ほど難しくなります。新鮮なひまわり油や、県大祭でドーナツを作った後の廃油など、あまり汚れていない油を使う場合は、特に問題なく製造できます。

試薬類さえ揃えば、反応自体は難しい物ではないのですが、10リットルのスケールで作るとなると、容器類も大きな物を用意しなければならないので、簡単にはできないかもしれません。私たちも、反応容器など専用の物を購入したりして、結構な出費を強いられました。最初は小さなスケールで作ってみることをお勧めします。

BDF化は、グリセリンと脂肪酸のエステルであるひまわり油をメチルエステル化(メチル基を油にくっつける事)するのですが、以下の反応式のようになります。

メチルエステル化の反応機構

反応式を見ればわかりますが、メチルエステル化する際のメチル基はメタノールから拝借しています。そのため事前に、水酸化ナトリウムを用いて、メタノールを反応性の高い化合物(ナトリウムメトキシド)にしておきます。(下記操作方法2)

ナトリウムメトキシドとひまわり油を50°C程度で1時間撹拌すると、メチルエステル化が進行します。(下記操作方法3・4)

その際に副産物としてグリセリンが併産されます。このグリセリンはどろっとした液体で、これが残ったまま使用すると、エンジンを詰まらせる原因となりますので、綺麗に除かなければなりません。そのために水洗工程があるのです。(下記操作方法7・8)

BDFは油で、グリセリンは水に溶けますので、水洗によって、まさに水と油の関係で、上手くBDFだけを得ることが出来るのです。

用意するもの(10リットルの油からBDFを作る場合)

  • 家庭用ホットプレート
  • 温度コントローラー(なくても構わない)
  • 温度計
  • 攪拌器(メカニカルスターラー)
  • ステンレス製反応容器(20リットル入)
  • 洗浄用コック付ポリタンク(20リットル入)
  • ひまわり油の廃油 10リットル
  • 水酸化ナトリウム(NaOH) 62.5g
  • メタノール  2.5リットル
  • 酢酸 40mL

操作方法

  1. 用いる廃油は、含まれている天かすなどの固形分をろ過して取り除くか、静置した後のある程度きれいになった上澄み部分を用いる。装置があれば、遠心分離してもよい。
  2. NaOH 62.5gを三角フラスコなどに入れ、少量のメタノールを入れ、撹拌しながら溶かす。溶け始めると発熱するので、その熱を利用して溶かすのがコツです(目に入らないよう注意)。完全に溶けてから、残りのメタノール(全部で2.5リットル)を入れる。
  3. ホットプレートの上にステンレス製反応容器をのせ、メカニカルスターラー(攪拌機)をセットする。ひまわり油(10リットル)を測りとって反応容器に入れ、攪拌しながら油の温度を50-60°Cに保つ。
  4. 反応容器に、NaOHを溶かしたメタノール液を入れ、攪拌しながら50-60°Cで1時間反応させる(50°Cになってから1時間)。反応が進んでくると2層になって濁っていたものが、均一になってきます。
  5. 反応終了後、一晩ほど静置してグリセリンを沈殿させる。
  6. 上層のBDF層をポリタンクに入れ、下層のどす黒くなったグリセリン層をコックを開けて取り除く。
  7. ポリタンクにさらにBDFと等量の酢酸水溶液(10リットルの水に酢酸40mL)を入れ、攪拌洗浄する。(酢酸水溶液を用いないと、2層に分かれない)
  8. 攪拌をやめると2層に分かれるので、下層の水層をコックから出す。さらにBDFの半分量の水(5リットル)をポリタンクに入れて、上層のBDF層を撹拌洗浄(分液)する。この操作を2回繰り返す。
  9. 1~2時間静置した後、BDF層をきれいな乾燥したステンレス反応容器にいれる。石鹸粕や水分を含んでいるときは濁りがある。さらに2~3日から1~2週間程度静置して濁りを沈殿させ、完全に透明になった上澄み部分を用いる。急ぐ場合は、攪拌しながら100°Cで1時間ほど加熱して水分を蒸発させ、そのまま一晩静置すると、透明なBDFが得られる。装置があれば、遠心分離しても良い。

BDFへの変換

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